iDeCoや積立NISAは差し押さえられる?債務整理や借金による影響
iDeCoは確定拠出年金法に基づいて運営されており、iDeCoの資産は債務整理をしても差し押さえができない差押禁止財産と規定されています。ただし、例外として差し押さえを受けるケースもあります。
また、積立NISAは個人の資産形成目的の投資制度なので、債務整理をすると差し押さえられます。
iDeCo、積立NISAともに差し押さえのリスクがあるので、すでにそれぞれの制度を運用している、これから運用を検討している、いずれの場合であってもiDeCo・積立NISAと借金問題や債務整理の関係性、差し押さえを受けないための対策を知っておくべきでしょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は差し押さえの対象にならない
iDeCo(個人型確定拠出年金)の特徴とメリット
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、国民年金の被保険者であれば加入できる私的年金制度です。
iDeCoの特徴は、自分で決めた掛金(かけきん)を積み立て、自分で運用商品を選択することができます。また、60歳以降に受け取ることができ、税制の優遇があります。
iDeCoのメリットとしては、税制優遇措置が充実していることが挙げられます。具体的には、加入者掛金が全額所得控除の対象となり、積立期間中、運用期間中、受け取るときの税金が安くなります。これにより老後生活を送るための資産形成が可能となります。
また、運用商品が選びやすく、コストが低く設定されている投資信託が多いというメリットもあります。自分に合った運用商品を選び、効率的に資産形成をおこなうことができます。
確定拠出年金法による規定
確定拠出年金法は、企業年金制度改革の中で、国民の高齢期における所得の確保のための自主的な努力を支援する目的で制定されました。この法律には、企業型年金と個人型年金(iDeCo)の規定が含まれています。
企業型年金は、厚生年金適用事業所の事業主が単独で、または共同して法の規定に基づいて実施する年金制度のことです。一方、個人型年金(iDeCo)は、連合会が法の規定に基づいて実施する年金制度です。
また、確定拠出年金法には、退職所得としての確定拠出年金の規定も含まれています。
退職により勤務先から受ける退職手当などの所得を指し、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、確定拠出年金法に規定する企業型年金規約または個人型年金規約に基づく年金の受給開始日後に支払われるものを含みます。
iDeCoが差し押さえられる例外
iDeCoの給付を受ける権利は、原則として譲り渡し、担保に供し、また差し押さえることができません。
つまり自己破産などの債務整理で財産を差し押さえられたとしても、iDeCoは差し押さえの対象外となります。
iDeCoが個人の老後の生活資金を確保するためのものであり、その目的を守るための措置であることにあります。ただし、例外的に差し押さえが可能となるケースも存在し、借金の返済を滞納して財産差押えになった場合などがあります。
また、税金の滞納がある場合も年金が差し押さえの対象となることがあります。これらの例外的なケースについては、具体的な状況や法律によりちがうため弁護士の意見を求めることが大切です。
積立NISAと差し押さえの対象になる
積立NISAの概要とその特徴とメリット
積立NISA(Nippon Individual Savings Account)は、日本の個人が少額投資をための制度です。
この制度は、一定の金額を毎月積み立てて投資することができ、その投資による利益は税金がかからないという特徴があります。これにより、長期的な資産形成を目指すことが可能となります。
積立NISAのメリットとしては、まず税金がかからないことが挙げられます。これにより、投資による利益を最大限に活用することができます。
また、毎月一定の金額を積み立てることで、投資のリスクを分散することができます。さらに、少額から始めることができるため、投資初心者でも始めやすいというメリットもあります。
積立NISAは差し押さえの対象になる
積立NISAは個人が少額の投資を積み立てていく制度であり、その資産は原則として差し押さえの対象となります。
積立NISAの資産が個人の財産の一部であるため、借金の返済が滞った場合や裁判を起こされた場合などに、その資産が差し押さえられる可能性があるからです。
したがって、積立NISAを利用するときには、その資産が差し押さえの対象になる可能性があることを理解した上で、適切な資産形成をおこなうことが大切です。
iDeCoと積立NISAの差し押さえを避ける対策
iDeCoと積立NISAは、それぞれ異なる法律に基づいて運営されており、差し押さえの対象となるかどうかもちがいます。
まず、iDeCoは確定拠出年金法という法律で運営されています。確定拠出年金法では、iDeCoの財産は税金の滞納処分以外では差し押さえができない差押禁止財産と規定されています。
つまり、iDeCoは自己破産しても差し押さえの対象になりません。
一方、積立NISAは投資の一環として保有していると扱われるため、生活に必要最低限な財産とはみなされず、自己破産をするとNISA口座は差し押さえの対象となります。そのため、積立NISAを差し押さえから守るには、自己破産を避けることです。
自己破産をしても99万円以下の現金は手元に残せるので、積立NISAを検討している段階の人は、自己破産で免責が確定して生活の安定してからおこなうべきでしょう。
iDeCoを運用していて債務整理を躊躇している人は、借金問題を解決しない状態のほうがiDeCo差し押さえのリスクがあります。また、積立NISAを検討している人は、1日でも早く借金問題を解決したほうが、早く始めることができる可能性があります。
しかし、iDeCoと積立NISAの情報は法律が変更される可能性もあるため、弁護士に相談をして最新情報をもとにして判断してもらうべきです。弁護士への初回相談は無料で、その後の手続き費用が分割払いできる事務所もあります。
借金問題を解決せずにひとりで悩んでいる時間ほどもったいないことはありません。借金問題で悩んでいて、でも将来のために資産形成しておきたい人は、1日でも早く弁護士に相談をしましょう!